東京華僑総会理事と留日華僑江蘇同郷会顧問の任にあり、長年社団法人日本中国料理調理士会の会長を務めてきた大城宏喜氏(王宏喜氏、江蘇省鎮江出身、76歳、現社団法人日本中国料理協会終身名誉会長)が、その長年の日本社会への貢献と業績が認められて、去る五月、旭日小綬章叙勲の栄に浴した。
 これは在日華僑界にとって初めてのことであり、東京華僑総会にとっても名誉なことである。

 七月三十一日晩、同氏の叙勲を祝う会が関係者の呼びかけにより都内人形町のロイヤルパークホテルで盛大に催された。

 祝賀会では発起人を代表して同会顧問の神山栄一氏および同会長の伊東学明氏がそれぞれ受賞の栄誉を讃えた挨拶をのべたのに続いて、来賓の小泉前首相秘書小泉正也、衆議院議員田村憲久、厚生労働省健康局室長矢島鉄也、料理学校理事長服部幸應の各氏が祝辞をのべた。また中国大使館の于淑媛参事官兼総領事も挨拶に立ち、大城氏の業績を讃え叙勲を祝福した。

 席上、お礼の挨拶に立った大城氏は次のように述べた。
六三年前、江蘇省鎮江を後にして、十三歳で来日して大阪に上陸した。終戦後上京し、以来五七年間、麻布・迎賓酒家、青山飯店、日本橋小伝馬町・会賓楼、新宿・食堂会館、六本木・廬山で腕をみがき、また二子玉川・富士観会館、ホテル海洋では調理長を務め、中国料理人生を歩んできました。

 そのかたわら生来世話やきの私は、一九六五年頃から活動をはじめ、一九八二年に社団法人日本中国料理調理士会(現日本中国料理協会)を立ち上げ、初代会長の重責を担うことになった。そして協会創立二五周年を迎えた記念すべき今年、はからずも旭日小綬章の栄に浴し、皇居に参内して天皇陛下の拝謁を賜ることができ感激している。

 大城氏はまた、長年良き職場、良き上司、良き部下に恵まれた料理人生をおくり、このたびの栄誉に恵まれたのは、これら多くの人たちの多年に亘るご懇情とご支援の賜物である、と重ねて謝意を表し、今後も中国料理業界の発展のため微力を尽したいと表明した。

 祝賀会には陳学全江蘇同郷会会長および殷秋雄東京華僑総会顧問が出席し、祝意を表した。なお、大城氏は現在、世界中国烹連合会副会長でもある。