中国の唐家国務委員は二月二十一日東京のホテルニューオータニで開かれた訪日歓迎レセプションに出席して挨拶し、中日友好協力関係発展の意義について次のように述べた。
▽今年は「中日平和友好条約」締結三十周年にあたる。三十年来、両国関係は各分野で大きな進展をみせ、かつてないレベルに達した。同時に、両国関係は幾多の風雨も経験した。双方の努力の下で、昨年から、中日関係改善・発展の勢いは絶えず強まっている。両国の指導者が相次いで相互訪問し、中日関係は再び正常な発展の軌道に乗り、戦略的互恵関係という新たな位置づけが実現した。

▽戦後の中日関係の歩みを総括し、回顧すれば、四つの大きな教訓がある。
第一、中日関係の発展と良好な状態は苦労して得られたもので、それだけに大切にし、念入りに守るべきで、それは双方の共同の責任である。

 第二、中日友好は大勢の赴くところ、、人心の向かうところで、遮ることのできない歴史の流れである。どのような時でもこの信念を貫き、少しも揺るがないようにすべきだ。

 第三、中日友好協力関係を発展させることは、中国の利益に合致し、日本の利益にも合致し、それ以上に、双方の共同の利益に合致する。

 第四、中日関係にはまだ解決の待たれる、過去から残された問題がある。われわれが共同であたる必要のある新たな問題も生じるだろうし、それを慎重かつ適切に処理し、これらの問題が両国関係の発展に影響しないようにすべきだ。

▽最近、日本でギョーザ事件が起きたが、中国政府はこれを非常に心配し、重くみている。被害者に心からお見舞いを申し上げ、中日双方が緊密に協力して、出来るだけ早く真相を究明するよう希望する。

 中国政府は人間中心を堅持しており、食品の安全性の面で、われわれは十三億の中国人民に責任を負うとともに、中国の食品を食べる各国人民に責任ある態度をとるべきで、これは中国政府の確固不動の方針である。

▽中日は共に新しい重要な発展期にある。新しい情勢下で、両国の共通の利益とチャンスは日増しに拡大し、共に受ける挑戦も増えている。今後を展望すると、中日関係はいま歴史の新たな起点に立ち、広々とした発展の余地がある。

 胡錦涛主席のきたるべき日本公式訪問は、中日関係を絶えず発展させ、両国関係の新局面を開くうえで大きく深い意義がある。われわれはこの訪問を通じて、日本と共に中日関係の今後の青写真を描き、長期的、健全で、安定した発展の新しい枠組みを築くことを希望している。

 両国が手を携え、発展のチャンスを共有し、挑戦に共同で対処するならば、中日友好は二十一世紀に一層旺盛な生命力を示すものと信じている。

 唐国務委員は挨拶で、長い間中日友好関係の発展に重要な貢献をしてきた日本各界の人々に敬意と謝意を表した。

 平山郁夫日中友好協会会長は挨拶で、日本の各界は日中関係の改善と発展を喜び、胡錦涛主席の訪日を心待ちにしており、今回の訪問で必ず一層強固な日中関係が築かれるものと信じていると述べた。

 レセプションには東京華僑総会の代表も招かれて出席した。レセプションに先立ち、唐国務委員は出席した複数の閣僚、元首相、国会議員、主要政党の責任者および各界の友好的人々と会見した。