箱根湯本温泉郷で名立たる温泉宿「河鹿荘」で去る二月十七日、留日福建同郷会(張仁猛会長)の新年会が開催され、来賓および同会の会員らおよそ六十名が泊りがけで春節を祝い、団欒した。
 当日、集合時間の午後三時には参加者の殆どが「河鹿荘」に到着、早速温泉入浴で寛いだあとは各部屋でのんびりとすごしていた。

 午後五時三十分、全員が大宴会場に集合し、記念撮影が行われ、午後六時よりいよいよ春節の祝宴が開始された。

 席上、張仁猛会長が新年の挨拶をのべた。張会長は来賓各位と同郷会員たちの出席に謝意を表し、温泉に浸りながらのんびりとすごしてほしいとのべ、さらに「私を含め参加者の年代をみると、どうしても健康のことを話題にしてしまうが、おたがいこの一年、健康であることを大切にしましょう!」と挨拶。

 次いで司会の楊武雄理事が、東京華僑総会の陳焜旺名誉会長夫妻、廖雅彦副会長および各同郷団体の代表ら来賓を紹介すると、福建僑胞から歓迎の大きな拍手がおくられた。

 引き続き、同会の一年来の会務と財務状況について謝忠勇事務局長と林秀美財務担当理事からそれぞれ報告が行われた。

 開宴に臨み、来賓を代表して陳焜旺氏が祝辞をのべるとともに乾杯の労をとった。この中で陳焜旺氏は、毎年福建同郷会の新年会と夏の納涼晩会に招かれているが、納涼晩会には毎年百六十〜二百数十名の福建僑胞が家族ぐるみで参加し、そのうち若い世代がほぼ半数を占め、活気に溢れている。
 
 華僑界ではどの団体も次世代継承に頭を悩ましている昨今、大変有意義な会である。一方、新年会は中高年中心に泊りがけで寛ぎながらじっくりとたがいに語り合うことが出来るという特色があり、いずれも福建同郷会の良さをあらわす催し事であるので、今後も是非毎年続けてほしい、とエールを送った。

 来賓と福建僑胞たちは、「河鹿荘」自慢の美味な料理を賞味しながら、たがいに杯を酌み交わし、会食歓談のひと時を楽しんだ。また宴半ばには林斯良理事の司会進行で恒例のカラオケ大会が始められ、ノド自慢を披露した僑胞におみやげがプレゼントされ、宴席は大いに盛りあがりをみせた。

 祝宴ののち、参加者たちは幹事部屋のカラオケルームで引き続きカラオケを楽しんだり、談話ルームで歓談交流を深めたり、温泉入浴をしたりという具合で、深夜までそれぞれが新年旅行会を満喫していた。

 翌朝は朝食後解散となったが、出勤する者、近くの景勝地を訪ねる者、チェックアウトまで旅館でのんびりする者など様々にすごしたのち、帰途についた。