長年にわたって東京華僑総会の理事を務め、在日華僑の愛国団結事業と中日友好のため寄与してきた名誉理事の劉正氏が去る二月二十五日、逝去された。台湾省宜蘭県出身、享年八十九歳。
 葬儀は二月二十七、二十八日、東京都練馬区の江古田斎場で厳かに執り行われ、親族および故人とゆかりの僑胞、友人多数が劉氏の冥福を祈った。

 劉正氏は一九一九年三月台湾省宜蘭県に生まれ、四一年に来日、日本大学商学部に学んだのち、五〇年に中興実業公司を創立。その後、六九年より八十年代後半まで、劉氏が経営した六本木の中国料理の名店「廬山」は、特に在日華僑と日中友好人士に人気の名店として親しまれた。

 また、劉氏は五一年より協同組合日本華僑経済合作社の理事、七四年に成立した留日台湾省民会の理事および中央華僑商工公会組合長を歴任するなど、在日華僑の経済、福利面の向上と祖国の平和統一促進にも力を傾けた。喪主は長男中山眞氏、夫人はスエ女史。