薛梨華(神奈川)

 七月五日、定刻より十分遅れて長崎に向け羽田空港を出発。初めての参加で不安と待ち受けている状況にわくわくしながら旅行は始まった。二時間弱のフライトの後、長崎空港に到着。長崎は東京とちがい、蒸し暑く、日差しも強かった。関西組と合流するため、リムジンバスで昼食会場のホテルまで移動。飛行機が遅れたため、関西組はすでに昼食を済ませていた。我々も長崎名物のちゃんぽんや皿うどんをいただいた。
 その後、長崎の中華街を散策。中華街・新地は、江戸時代中期に中国からの貿易品の倉庫を建てるために、海を埋め立ててできた街。東西、南北あわせて約二五〇mの十字路で、中華料理店や中国菓子、中国雑貨など約四十店舗が軒を並べている。散策後、送迎バスでホテルに移動。長崎は坂が多いと聞いていたが、 いくつもの坂を上りきったところにホテルはあった。山の上にあるため、部屋からの眺めは最高だった。
 
 オリエンテーションが始まり、現地参加の人や関西組と初めて顔を合わせた。陳東華氏による長崎の歴史と中国の関係についての講演があり、学生時代の歴史の時間を思い出しながら、鎖国や出島の話を聞いた。とても興味深く、明日からのグループ行動が楽しみになった。

 七〜八人の班に分かれ、自己紹介や明日以降の予定について計画を立てた。明日からは班行動になり、それぞれの班には必ず訪れなければいけない名所が決められ、夕食時にその名所について発表する事になっていた。私の班は長崎歴史文化博物館を訪れるよう指示された。長崎歴史文化博物館は、陳氏のおすすめの場所でもあり、楽しみであった。短い時間の中で、できるだけ多くの場所を効率よく回ろうという班員の意見が一致し、詳細に計画を立てた。また、グループ行動の後、夕食時には長崎の名所についてのクイズがあり、上位にはプレゼントが用意されているということで、みんな真剣に計画を立てていた。

 夕食は長崎名物の卓袱(しっぽく)料理だった。卓袱料理は初めてでどのようなものかとても楽しみだった。和食や洋食(主にオランダ料理)、中華料理をミックスさせた長崎の郷土料理で、円卓を囲み、大皿に盛られた料理を各々が自由に取り分け食べるというもので、ボリュームもあり、どれもおいしかった。部屋からの夜景もきれいだったが、露天風呂からの夜景はとてもすてきだった。

 二日目は班行動。長崎在住の福建省の人達によって建てられた崇福寺、日本最古の唐寺である興福寺、日本最古のアーチ式石橋である眼鏡橋、長崎歴史文化博物館に行った。博物館では長崎奉行所の復元があったり、長崎の歴史についてパソコンで検索したり、ゲーム感覚でクイズに答えたり、資料や美術工芸品、古文書が展示されていた。じっくり見てみたいと思ったが、四八〇〇〇点もの展示品があるため全部を見ることはできなかった。
 
 昼食は班ごとということだったので、班のメンバーの実家が経営している中華料理屋に行った。酢豚や麻婆豆腐、杏仁豆腐を食べ、体力を回復させ午後のエネルギーを蓄えた。食べ終わった後も、博物館でそれぞれが得てきた情報を交換しあい、夜の発表に備えた。その後、オランダ坂を通り、大浦天主堂、グラバー園に向かった。グラバー園は、イギリスの貿易商が建てた屋敷や庭園があり、見応えがあった。高台の斜面にあるため、長崎湾や市街中心地を一望することができた。

 集合場所である長崎駅に向かい、ほかの班と合流し、ホテルに向かった。観光名所ですれ違った班もあったが、他の班がどのような観光をしていたのかが気になった。二日目も晴天に恵まれ、暑く、みんな日焼けしていた。部屋に戻った後も夜の発表に向けて、原稿をつくった。夕食時いよいよ班ごとの発表。一日の行程を話しながら、割り振られた名所の発表をする班や、割り振られた場所について詳細に発表する班など様々、どこの班も充実した一日を送ったことがわかった。
 
 それぞれの発表が終わったところで、景品をかけた名所クイズの問題が配られた。クイズに備えて、日中、いろいろな情報を集めていたつもりではあったが、常識問題からマニアックな問題と様々で、簡単には解けなかった。どこの班も苦戦しているようで、電話で知人に聞いたり、ホテルのスタッフに尋ねたり、ネットで調べたり、食べることも忘れてみんな必死に解いている真剣な姿を見て少し驚いた。わからない問題を残しつつ、締め切りとなり明日の結果発表を待つことになった。

 三日目、今日も晴天。お互いに気持ちがほぐれてきて、班のメンバー以外にも話しかける余裕が出てきた。全員で孔子廟に向かい、見学。中国清朝政府と華僑によって建造され、鮮やかな朱色や黄色の儀門や孔子像を祀った大成殿、等身大の七二賢人像、 すべて中国から取り寄せたものであり、伝統美あふれる中国文化を感じ取ることができた。中日両国人民の相互理解と文化交流の強化を目的とした博物館が隣接され、北京故宮博物院提供の「北京故宮宮廷文物展」では貴重な陶器なども展示されていた。
 
 さよならパーティーの会場になる江山楼に向かった。旅行最後の食事ということで、 フカヒレスープやなまこ、豚の角煮まん、とても大きなごまあげ団子などの豪勢な中華のコース料理だった。昨日のクイズの結果発表があった。私の班は一位だと確信していたが、予想に反して最下位であった。残念な結果に終わってしまったが、班行動では班内交流もでき、有意義な時間を過ごせたので満足であった。
 
 あっという間に三日間が過ぎてしまいもう解散だと思うと寂しくなってしまった。現地参加、関西組のメンバーと挨拶をし、空港に向かい帰路についた。
 
 青年会は初めての参加で、不安でしたが、みんな優しく、気軽に話しかけてきてくれ、多くの華僑と知り合うことができ、楽しくすてきな旅となりました。今回の旅行で時間をかけてじっくり計画を立ててくださった実行委員の方や、寄付をしてくださった方、お世話してくださった方にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。今後もこのような交流会に参加し、多くの方と交流していきたいと思います。



劉由佳 (大阪) 
 私は、第十一回華僑・華人青年交流会にはじめて参加しました。
 
 みなさん、とてもあたたかく、家族のように接してくれて、三日間、本当に自然体で楽しく過ごすことができました。
 
 私は日本の学校でずっと育ってきたので、日本社会の中でやはり違和感を感じたこともある中、華僑の方たちの中では全く感じることもなく素直に自然体でいられたことが何よりもこの交流会で私のプラスになりました。
 
 特別な環境は私一人じゃないんだということ、遠くにいてる華僑の友達の存在、みんなががんばっているということだけで、自信や安心につながり、とても有意義な交流をはかることができました。
 
 みんな、違う場所から来ているけれども、個々に華僑という日本社会ではある意味特別な環境であってもたくましく、前向きに社会で生きているっていうことを実感でき、そして器の大きさをとても感じました。
 
 この交流会は華僑の方(私たちの先輩方)からの寄付で成り立っていることも知り、 感動と感謝、華僑の絆をとても感じることができました。みなさんがわたしたちの交流を願っていることがとてもありがたいと思います。
 
 ありがとうございました。 多謝。


游成幸 (東京)
 今回の長崎は幼少の頃に家族で訪れて以来の二回目でした。そしてやはりかの地の空気は僕に対して、優しく荘厳なもので、祖父やその向こう側 (祖父からさかのぼる福建で受け継がれていった僕のルーツ)への想いを喚起させる悠久を感じました。
 
 あ、今思い出しました。小学生の頃にも修学旅行で行きました。でも、それは僕の中の長崎の意義を完璧に無視したものでした。訪れた場所と言えば、グラバー園と平和公園だけだったのです。中国的な空気を一つも味わわせてくれませんでした、北部小学校。この日本の学校の生徒達の中に、僕の意見(崇福寺に行きたい!中華街に行きたい!)に賛同してくれる子はいなかったでしょう。
 
 ですので、今回の青年交流会は非常に有意義なものでした。このような機会を与えてくださった諸先輩方には本当に感謝しています。 多謝多謝!