在日華僑の有為な医学研究者として多くの研究成果を収めている石亦宏博士(神戸中華同文学校卒業生、神戸福建同郷会理事長石雅之氏子息)は先ごろ、米国カリフォルニア大サンディエゴ分校と大阪大学との共同研究メンバーとして、肝臓損傷を防止する蛋白質スイッチの役目をする物質を発見。将来、肝臓病と肝臓ガンの治療に新たな活路を与える研究として内外の注目を集めている。
同研究については、中国でも上海・科学技術日報が注目すべき研究として取りあげているので、その内容を以下に紹介します。

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米国カリフォルニア大学サンディエゴ分校と大阪大学の研究員は、一種の肝臓損傷を防止する蛋白質スイッチの役目をする物質を発見した。その作用範囲は、炎症、繊維化、ガンにもおよぶ。研究員らはこのTAK1蛋白の研究は、肝臓病と肝臓ガンの治療に新しい局面を迎えるだろうと述べている。関連する論文は12月14日の《全米科学アカデミー発行の機関紙》のインターネットに掲載された。

カリフォルニア大学サンディエゴ分校医学院教授デビット・ブレーナ氏はこのように言う。TAK1は肝臓機能の主な調節器であるようだ。肝臓病及び肝臓ガンに作用をおよぼす、また、新しい治療方法に役立てられるはずだと。

TAK1はキナーゼと呼ばれる酵素の一種で、細胞中のシグナル伝達の機能をして、 複雑な生命活動に重要な役割をもつ。TAK1が二種類の特定蛋白質NF―kappaBとJNKを活性化することは、科学者の間ではすでに知られている。肝臓の免疫、炎症、プログラム細胞死および腫瘍の悪性転化の過程で皆この二種類の蛋白が存在し、性格はちょうど相反している。NF―kappaBは健康な肝臓細胞を保護し、ガン細胞の活動を抑制する。一方JNKはかえって細胞死の進行を速め、ガンを引き起こす。しかし、それらTAK1のスイッチ作用については、今までは明確な記述がなかった。

答えを見つけるため、研究員らは肝細胞のTAK1遺伝子を取り除いたサンプルのマウスで実験を行った。この実験から、TAK1が遺失した若いマウスでは、肝臓細胞の死亡率が高かった。研究員はこう解釈する。この状況下において実験マウスは肝臓細胞の活動が活発的になり、欠陥を補う。そして、増えすぎた肝臓の細胞が炎症と繊維化、最後には肝臓の損傷とガンを招いた。

・・・・・・・・・石亦宏氏は、この研究でガンを発生する過程のしくみがはじめて明らかになった。また他の器官のガンに於いても、TAK1が同じような作用をおよぼす。このTAK1の研究が将来肝臓病と肝臓ガンの治療に新たな活路を与えると述べている。(訳文・編集部)

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訂正(3月1日付第1752号)
本紙前号(2月15日付第1751号)二面「肝臓病と肝臓癌治療に新たな活路与える発見」の記事中、「大阪大学医学博士石亦宏氏」との表記は上海・科学技術日報の報道内容に基づく日文訳ですが、石亦宏博士ご本人は兵庫医科大学・同大学院のご出身で、表記に誤りがありました。お詫びし訂正致します。