黄河女声合唱団上海万博・日本館ナショナル・ウィーク最中の去る6月14日、横浜中華街を拠点に活躍する黄河女声合唱団(団長:周廣華さん) は、入場者40万人以上で賑わう万博会場のアジア広場に颯爽と登場、レパートリーの中日歌曲を熱唱して大きな話題となっている。
前日に上海入りした黄河女声合唱団およびその応援団一行総勢40名は、当日開門とともに広大な会場のA区域に入り、黄浦江沿いに横たわる日本館を見学したあと、民間文化交流団体として演奏活動を行った。中国館に通じる巨大な高架式歩道大通りに面したアジア地区団体一号広場で、若草色の清麗なドレスに身を包んで第一ステージに臨んだ団員20名は、田大成先生(陜西師範大学音楽学院・学院長)の指揮につれて、「漁光曲」、「紅豆詞」、「さくら、さくら」、「大地賛頌」を次々と歌い進み、上海万博を祝福する「中国心」と中日友好への深い思いを美しいハーモニーにのせて歌いあげ、大きな拍手に迎えられた。立ち見の人だかりのあちこちから沢山のカメラが現われ、しきりにシャッターが切られていた。

第二ステージでは、「青春舞曲」、「祖国慈祥的母親」を披露した後、賛助出演組の華音混声合唱団(団長:羅順英さん)団員男女有志8名も隊列に加わり、声量をアップさせながら「大海、故郷」、「在希望的田野上」などを熱唱した。アンコール曲には懐かしい福建民謡「採茶灯」がリズムも楽しく歌われた後、フィナーレには大勢の観客も加わって「歌唱祖国」の大合唱となった。

団員の中には、歌声を通じて国内同胞との連帯感を高めたことに感激の涙を浮かべる人も見られた。また開演直前、折から呉少煖会長の引率のもと、万博見学に上海を訪れていた東京華僑婦女会一行が声援に駆けつけ、団員たちをいたく感激させた。

当日は小雨のぱらつく天気だったが、歩道橋の欄干に鈴なりになった見物客の間からも盛んに拍手が送られた。著名なテノール歌手としても知られる田先生は、第二ステージに入る前に、安江亜希子先生の伴奏のもとで「我愛中国」、つづいてイタリア民謡「オーソレミーヨ」を演唱し、広場周辺は拍手喝采に沸きかえった。黄河女声合唱団の上海万博公演は、僑胞の夢を見事に現実に変え、大きな成功を収めた。