韓慶愈氏講演 写真
『〈日中平和友好条約〉締結35周年に思う』と題して、11月22日より、東京中国文化センターにて講演会が開催された。当日はシリーズで計五回のうちの第一回目として、「華僑・華人の交流」をテーマに東京華僑総会常務理事・前(一社)日中科学技術センター理事長・韓慶愈氏による講演が行われ、およそ50人の華僑華人や日本の友好人士が会場を訪れた。
この講演会は、東京中国文化センターと(一社)日中協会の共催により実施されたもので、日中両国の平和友好推進と両国民が相互理解を増進し、交流の拡大をはかることを目的としている。

韓氏は日中科学技術センターの理事長を歴任し、日本における品質管理を中国に伝え、また、日本と中国の橋渡しとして中国からの研修生およそ6000名を招聘してきた実績があり、近年『留日70年』という本を執筆し、現在は華僑華人の後輩の指導育成にあたっている。

韓氏は講演の中で、留学で日本に上陸してから現在までの70年間日本に滞在している思いを四つの年代に分けて語った。

まず、来日の経緯と昭和18年頃の中日友好運動活動家の先輩方を紹介し、当時の様子を振り返って語り、この中で、当時三等国民と呼ばれ中国人が差別を受けていた状況を紹介した。

その後、日本が終戦を迎え、在日華僑や留学生が国民党による支配を受けていた時代に、自身が中国人あるいは華僑としての権利や利益のために活動していた経験を語り、また、日本とアメリカの関係や日本の国民性を冷静に分析して解説した。

その後、中華人民共和国が誕生し、同時に留学生たちが力をあわせ困難に立ち向い、50年代初め、留学生寮に対する武装警官による不法捜査や、マスコミによる事実無根のデマ報道によって、不当な弾圧や迫害を受ける中、52・53年頃に、新中国政府から、華僑に対して救済金が送られてきたことを受けて、中国人民としての誇りを実感した様子を語った。

そして、新中国政府の支援のもと多くの留学生が帰国する中、華僑の乗船代表として帰国した折、廖承志先生と出会い、華僑のために働くことを勧められ、日本で華僑のために尽力をすることを誓い、「大地報」新聞の編集に携わり、中日国交正常化後、中国に日本の技術管理を伝えることを始め、関連する書籍や雑誌などを発行し、その後メーカーの提案によって、日本で日中科学技術センターを設立し、中国の技術の向上のために尽くした経験を紹介した。

韓氏は中日両国民に対し、「友好的に付き合うことをしなさい。日本は中国が必要で、中国も日本が必要」と語った。また、自身は人民のために、中日友好のためにまだまだ頑張っていきたいと力強く語った。

聴衆は韓氏の講演に聞き入り、講演は非常に盛況だった。


写真説明:東京中国文化センターの講演会で留学生当時の様子や思いを熱く語る東京華僑総会常務理事・韓慶愈氏