6月29日、今年で49回目となる中国人殉難者全道慰霊祭が、北海道仁木町の中国烈士園の日中不再戦友好碑の前で厳粛に執り行われた。
日中友好協会小樽支部・北海道支部連合会などを主とする慰霊祭実行委員会の主催で、道内の各日中友好団体・人士をはじめ北海道華僑華人婦女会などの華僑団体の代表――今年は特に北海道在日中国科学技術者連盟、北海道華僑華人聯合会や北海道地区中国留学人員友好聯誼会の代表、札幌、室蘭工大中国留学生らが加わり、併せて160余名が出席した。

当日はまた、佐藤聖一郎・仁木町長、元衆院議員の児玉健次氏、小樽商大の和田健夫学長、中国人強制連行北海道訴訟弁護団の猪野亨弁護士の諸氏も出席した。

同慰霊祭は中日戦争末期、日本の労働力不足を補うため中国から強制連行され、北海道内58の鉱山・炭鉱・海港で過酷な労働を強いられ、不幸にして殉難した3047人の中国人労工を追悼するため、1966年から毎年行われている。

会場には中国人殉難者永垂不朽の垂れ幕が飾られ、碑前には生花や供物が供えられ、僧侶の読経とともに参列者が次々と焼香した。佐藤・仁木町長は慰霊のことばの中で、二度と悲惨な歴史を繰り返してはならないと述べ、世界平和と日中両国の友好を訴えた。

席上、中国駐札幌総領事館の李春首席領事が滕安軍総領事の追悼の言葉を代読した。この中で滕総領事は、悲惨極まりない歴史は二度と繰り返してはなりません。我々は歴史を鑑として未来に向かい、共に手を取り合い、実際行動をもって中日友好の輝かしい未来を共に切り開いていくことを心から願っていると述べた。

なお、強制連行で犠牲となった中国人殉難者の遺骨調査、発掘、送還には北海道華僑の長老席占明氏が長期に亘って携わり、大きく貢献されたことは良く知られている。